PROTECT

PROTECTはPharmacoepidemiological Research on Outcomes of Therapeutics by a European Consortiumのことで、”治療アウトカムに関する薬剤疫学的研究ヨーロッパコンソーシアム”のこと。

Hallgreen CE, et al: Literature review of visual representation of the results of benefit-risk assessments of medicinal products. Pharmacoepidemiol Drug Saf 2016;25:238-50. PMID: 26521865の論文もPROTECT Benefit-Risk groupから出されている。

PROTECT Benefit-Risk groupのサイトのVisualisationsのページはかなり包括的で興味深い。VisualizationsではなくVisualisationsというスペルはアメリカより英国に近いということだが、ヨーロッパ系であることがわかる。医療者と患者・介護者のコミュニケ―ションについても研究がかなり行われており、Evidence-based communicationという言葉も使われている。

PROTECTからは PrOACT-URL: Problem, Objectives, Alternatives, Consequences, Trade-offs, Uncertainty, Risk tolerance, and Linked decisions というBenefit-Risk assessmentのためのフレームワークが提言されている。

PrOacTive

フォーマル(正式)な益と害の評価法として提言されている方法のひとつです。

” Do not use verbal expressions such as leikely, possibly, rarely, occasionally. Use probabilities and related numerical expressions.  You can not reach an agreement while using the same expressions for differenct nunmbers. “と書かれています。しかし、エキスパートは、無意識の内にすべての要素を取り入れたうえで決断しているので、後でうまく説明できないこともあります。

このPrOacTiveと似た方法で、PrOACT-URLというのもあります。

Alternativesとは介入の選択肢のことで、Optionsという言葉が使われることが多いかもしれません。ConsequencesはOutcomesと同じことです。Trade-offsトレードオフは”あちらを立てればこちらが立たず”ということです。たとえば、益のアウトカムに対して治療効果はAの方がいいが、副作用はBの方がいいという場合にはTrade-offがあるということになります。

医療経済の分野と臨床医学の分野では同じ概念に対して異なる用語が用いられていることが結構あります。Harm害に対してRiskリスクという言葉が使われている場合も多いです。

益と害の定量的評価法 Quantitative benefit-harm assessment

定量的に益と害の大きさを評価し、益と害のバランスあるいは正味の益の大きさを知るにはどうするか? 33文献のリストを作りました。また、Benefit-Risk assessmentという言葉も使われています。

このリストの中で、10.Hughes D 2016, 11. Hallgreen CE 2016, 16.Mt-Isa S 2014, 19.Boyd CM 2012, 31.Wen S 2014は必ず読むべき。

ほとんどのパラメータは不確実性を伴っているので、確率的感度分析が必要です。また、設定されたアウトカムあるいはConsequencesで患者さんの体験のすべてを評価できるかどうか熟慮が必要です。6. Yu T 2016の論文にはその限界も示されています。

ISPOR-SMDMの決断分析モデルに関する報告書

International Society for Pharmacoeconomics Outcomes ResearchSociety for Medical Decision MakingのModeling Good Research Practices Task Forceから出された7つのモデル化に関する文献と1つの総評的な論文、計8件の文献リスト。Decision Tree, State Transision Model, Discrete Event Simulation, Dynamic Transmission Modelingなどの決断分析モデルについて。ISPORは国際医薬経済・アウトカム研究学会で、日本支部は2005年に設立。