今回は、CopilotにRのスクリプトを提案してもらいましょう。
青のボックス内に書いてあるのがプロンプトです。右端のアイコンをクリックするとCopilotの回答を表示したり隠したりできます。その下にはRでのスクリプトの実行結果を示します。
まず、Rの標準データセットで相関に関するデータサンプルがあるか聞いてみます。
Rの標準データセットに相関に関するサンプルデータはありますか?
はい、Rには相関を調査するのに適した標準データセットがいくつか含まれています。以下のようなデータセットがあります。
mtcars
:32種類の車に関する燃費や馬力、重量などのデータが含まれており、これらの変数間の相関を分析するのに便利です。iris
:アヤメの種類ごとの花弁の長さや幅などのデータがあり、数値変数間の関係性を調べるのに適しています。airquality
:大気汚染に関するデータで、温度や風速とオゾン濃度の相関を検討できます。mtcars
:自動車の仕様データセットで、燃費と車両重量の関係などを分析できます。
例えば、mtcars
データセットの変数間の相関係数を求めるには、以下のように記述できます。
data(mtcars) # データセットをロード
cor(mtcars) # 相関係数を計算
特定の変数間の相関を調べたい場合は、例えばmpg
とhp
の関係を確認するには以下のようにします。
cor(mtcars$mpg, mtcars$hp)
他にも、cor.test()
関数を使うことで、相関の統計的有意性を検定できます。
興味のあるデータセットがあれば、詳しく説明できますので、お知らせください!
特に指示はしていないのですが、データセットの解説と、相関係数の計算のスクリプトが提示されました。それをRのエディタにコピー・貼り付けて実行すると、以下の結果が、コンソールに出力されました。32種類の車の燃費、馬力などの値について、cor()関数での演算結果が、相関行列として得られました。

次に、散布図を描画してみようと思います。馬力hpと燃費mpgの関係を見たいと思います。グラフ作成にはggplot2というパッケージが良く使われているので、それを使うよう指示します。
mtcarsのhpをX軸に、mpgをY軸に散布図をggplot2で描くスクリプトは?
ggplot2
を使ってmtcars
データセットのhp
をX軸、mpg
をY軸にした散布図を描くには、以下のRスクリプトを使用できます。
# ggplot2パッケージを読み込む
library(ggplot2)
# mtcarsデータセットを使用して散布図を描画
ggplot(mtcars, aes(x = hp, y = mpg)) +
geom_point() + # 散布図のポイントを追加
labs(title = "Horsepower vs. Miles Per Gallon",
x = "Horsepower (hp)",
y = "Miles Per Gallon (mpg)") +
theme_minimal() # シンプルなテーマを適用
このスクリプトでは、ggplot()
を使ってデータを指定し、geom_point()
で散布図を作成しています。また、labs()
を使ってタイトルや軸ラベルを設定し、theme_minimal()
でシンプルなデザインにしています。
もし回帰線を追加したい場合は、geom_smooth()
を使うと便利です。
ggplot(mtcars, aes(x = hp, y = mpg)) +
geom_point() +
geom_smooth(method = "lm", se = FALSE, color = "blue") +
labs(title = "Horsepower vs. Miles Per Gallon with Regression Line",
x = "Horsepower (hp)",
y = "Miles Per Gallon (mpg)") +
theme_minimal()
このコードでは、geom_smooth(method = "lm")
を追加することで、線形回帰をプロットしています。
カスタマイズの方法や他の描画スタイルについても、お手伝いできますので、気軽に聞いてくださいね!
散布図描画のための、スクリプトが提示されました。まず、それをRのエディタにコピー・貼り付けて実行すると、以下のグラフが作成されました。

これも特にプロンプトでは指示していないのですが、回帰直線を描画に追加するスクリプトが提示されたので、それを実行すると以下のグラフが作成されました。この場合、前のグラフに上書きされます。

それでは、hpとmpgの散布図とhpとcylの散布図を重ねて描画するにはどうするかCopilotに聞いてみましょう。
hpとmpgの散布図の回帰直線のグラフに重ねてhpとcylの散布図と
回帰直線を描画するには?mpgとcylではポイントと直線の色を変えてください。
ggplot2
を使ってhp
とmpg
、hp
とcyl
の散布図と回帰直線を重ねて描画するには、aes()
のcolor
オプションを利用してポイントと回帰線の色を変更すると便利です。以下のRスクリプトで実現できます。
# 必要なパッケージを読み込む
library(ggplot2)
# グラフの作成
ggplot(mtcars, aes(x = hp)) +
# mpgの散布図と回帰直線(青色)
geom_point(aes(y = mpg, color = "mpg"), alpha = 0.7) +
geom_smooth(aes(y = mpg, color = "mpg"), method = "lm", se = FALSE) +
# cylの散布図と回帰直線(赤色)
geom_point(aes(y = cyl, color = "cyl"), alpha = 0.7) +
geom_smooth(aes(y = cyl, color = "cyl"), method = "lm", se = FALSE) +
# カスタムの凡例タイトル
scale_color_manual(values = c("mpg" = "blue", "cyl" = "red")) +
labs(title = "Horsepower vs. MPG and Cylinders",
x = "Horsepower (hp)",
y = "Values",
color = "Variable") +
theme_minimal()
このスクリプトでは:
aes(y = mpg, color = "mpg")
とaes(y = cyl, color = "cyl")
を使い、mpg
を青、cyl
を赤で描画しています。geom_smooth()
でそれぞれ回帰直線を追加。scale_color_manual(values = c("mpg" = "blue", "cyl" = "red"))
により、凡例の色を指定。
このコードを実行すると、hp
をX軸に、mpg
とcyl
をY軸にした散布図が表示され、色分けされた回帰直線が重ねられます!
他にカスタマイズしたい点があれば、遠慮なく聞いてくださいね。
Copilotが提示したスクリプトをRのエディタにコピー・貼り付けしてそのまま実行すると以下のグラフが作成されました。

馬力hpが大きくなるほど1ガロン当たりの走行距離mpgが短くなり(青)、馬力hpが大きいほどエンジンのシリンダー数cylが多くなる関係があることが分かります。
それでは、直線回帰の切片と係数を出力するにはどのようなスクリプトを書けばいいのか聞いてみたいと思います。まず、hpとmpgの2つの変数についてです。
hpとmpgの間の直線回帰の切片の値と傾きの係数の値を得るにはどの
ようなスクリプトを書けばいいですか?X軸にhp、Y軸にmpgとしてください。
lm()
関数を使って、hp
を X 軸、mpg
を Y 軸とする線形回帰の切片(intercept)と傾き(coefficient)を求めるには、以下のスクリプトを使用できます。
# mtcarsデータセットをロード
data(mtcars)
# 線形回帰モデルを作成(mpgを目的変数、hpを説明変数)
model <- lm(mpg ~ hp, data = mtcars)
# 回帰係数(切片と傾き)を取得
coefficients <- coef(model)
# 係数の表示
print(coefficients)
説明:
lm(mpg ~ hp, data = mtcars)
でmpg
を目的変数(Y 軸)、hp
を説明変数(X 軸)として線形回帰モデルを作成します。coef(model)
を使って切片(intercept)と傾きの係数(slope)を取得します。print(coefficients)
で結果を表示。
このスクリプトを実行すると、出力される値は以下の形式になります。
(Intercept) hp
X.XXXXXXX Y.YYYYYY
ここで (Intercept)
は切片の値、hp
は傾きの係数を示します。
もし、回帰モデルの詳細な統計情報も確認したい場合は、summary(model)
を実行すると、p 値や決定係数 (R-squared
) なども確認できます。
summary(model)
カスタマイズや可視化の方法など、さらに詳しく知りたいことがあれば、お気軽に聞いてください!
lm()関数を用いて、直線回帰の分析結果を変数modelに格納し、coef(model)で切片と傾きが得られることが分かります。このスクリプトをそのまま実行すると以下の結果がコンソールに出力されました。summary(model)でp値、決定係数も出力されています。

それでは、燃費mpgを従属変数として、それ以外の変数を説明変数にして重回帰分析をするにはどのようなスクリプトを書けばいいかCopilotに聞いてみましょう。
mpgを従属変数として、それ以外の変数を説明変数にして重回帰分析を
するにはどのようなスクリプトを書けばいいですか?切片、係数、p値、
決定係数の値も出力するようにしてください。
選lm()
関数を使って mpg
を従属変数(目的変数)として、それ以外の変数を説明変数(独立変数)に設定し、重回帰分析を行い、切片・回帰係数・p値・決定係数を出力するスクリプトは以下のようになります。
# 必要なパッケージをロード
data(mtcars)
# 線形回帰モデルを作成(mpgを従属変数、その他の変数を説明変数に設定)
model <- lm(mpg ~ ., data = mtcars)
# 回帰モデルの概要を表示
summary_model <- summary(model)
# 切片と回帰係数を取得
coefficients <- coef(model)
# p値を取得
p_values <- summary_model$coefficients[,4]
# 決定係数を取得
r_squared <- summary_model$r.squared
# 結果を出力
print("回帰係数(切片と傾き):")
print(coefficients)
print("p値:")
print(p_values)
print("決定係数 (R-squared):")
print(r_squared)
説明:
lm(mpg ~ ., data = mtcars)
でmpg
を従属変数とし、他の変数を説明変数として重回帰分析を実行します。summary(model)
を取得し、回帰係数・p値・決定係数 (R-squared
) を抽出します。summary_model$coefficients[,4]
で p値を取得できます(各説明変数に対する統計的有意性)。summary_model$r.squared
で決定係数を取得し、モデルの適合度を確認できます。print()
により結果を表示。
このスクリプトを実行すると、各変数の回帰係数、p値、決定係数の値が出力されます。モデルの評価や変数の選択についても相談できますので、気軽に聞いてくださいね!択についても相談できますので、気軽に聞いてくださいね!
これもそのままコピー・貼り付けしてRで実行した結果が以下の通りです。決定係数は0.869です。

それでは、最後に燃費mpgを従属変数として、説明変数にhp、wt、qsec、amの4つだけでモデルを作る場合のスクリプトをCopilotに書いてもらいます。これら4つの説明変数は上記のp値が小さいものを選びました。
mpgを従属変数として、説明変数にhp、wt、qsec、amの4つだけで
モデルを作る場合のスクリプトは?
lm()
関数を使い、mpg
を従属変数として、hp
、wt
、qsec
、am
の4つを説明変数に設定して重回帰分析を行う場合、以下のスクリプトを使用できます。
# mtcarsデータセットをロード
data(mtcars)
# 線形回帰モデルを作成(mpgを従属変数、hp, wt, qsec, am を説明変数として設定)
model <- lm(mpg ~ hp + wt + qsec + am, data = mtcars)
# モデルの要約を表示
summary(model)
説明:
lm(mpg ~ hp + wt + qsec + am, data = mtcars)
でmpg
を従属変数、hp
、wt
、qsec
、am
を説明変数に設定し、重回帰分析を実行します。summary(model)
を実行すると、回帰係数(切片と各変数の傾き)、p値、決定係数などの統計情報が表示されます。
モデルの評価や変数の選択についてさらに詳しく知りたい場合は、お気軽に聞いてください!
ここでは、model = lm(mpg ~ hp + wt + qsec + am, data = mtcars)という記述方法に注目してください。多変量のモデルの指定方法です。これらのスクリプトを、Rで実行した結果は以下の通りでした。

各変数の意味を表にしてもらうのをCopilotに頼んでみましょう。
mtcarsの各変数が何を表しているか表を作成してください。
もちろんです!mtcars
データセットに含まれる各変数の意味を表にまとめました。
変数名 | 説明 |
---|---|
mpg | 燃費 (Miles Per Gallon) |
cyl | シリンダー数 |
disp | 排気量 (cubic inches) |
hp | 馬力 (Horsepower) |
drat | リアアクスル比 (Rear Axle Ratio) |
wt | 車両重量 (1000ポンド単位) |
qsec | 1/4マイル走行時間(秒) |
vs | エンジンの形状 (0 = V型, 1 = 直列型) |
am | 変速機の種類 (0 = オートマ, 1 = マニュアル) |
gear | ギア数 |
carb | キャブレター数 |
このデータセットは、自動車の性能を分析するために広く使われています。特に、mpg
(燃費) と他の変数の関係を調べることで、燃費に影響を与える要因を分析できます。
他に詳しく知りたいことがあれば、気軽に聞いてくださいね!
これらの変数の意味から結果を考察すると、馬力と車両重量に対する係数はマイナスなので、これらの値が大きいほど燃費は悪くなる、オートマ(0)に対してマニュアル(1)は係数がプラスなので、マニュアルの方が燃費がいい、1/4マイル走行時間、すなわち0-4の時間が長く、加速が悪いほど燃費がいい、ということが分かります。調整決定係数が0.8368でこれら4つの因子で燃費の大部分が決まるということが分かります。
医学研究でも相関、直線回帰、重回帰分析が適用される例は多いと思います。また、散布図を描いて視覚的に検討することも多いと思います。今回の例でも、Copilotに聞きながらRで解析を進めていくのは有用と思わされました。今回の例は医学の例ではありませんが、応用は容易と思います。
CopilotはRのスクリプトの部分は、コピー用のボタンがついており、それをクリックして、Rで貼り付けるだけですぐ実行できます。つまり、スクリプトを自分で書き込む必要が無くなり、効率化が図れます。