US National Library of Medicineが運営する医学文献データベースPubMedが新しくなりました。2020年の春には、今までのLegacy PubMedは無くなり、New PubMedに完全に移行するそうです。
デザインが変わっただけでなく、機能的にもかなり変わっています。デフォルトのソーティングがBest Matchになり、AIも導入して、それまでの類似の検索でクリックされた文献の情報を学習して、テーマと関連があると思われる文献を上位に表示するそうです。The New PubMed is Hereというページに簡単な解説があります。
“Evidence-Based Medicine: How to practice and teach EBM”という本はSackett DLが第一著者の初版が1997年に出版されました。その後、2000, 2005, 2011年と改訂版が出版され、 2019年に第5版が出版されました。もうSackett先生の名前は著者に入ってませんが、Dedication: This book is dedicated to Dr. David L. Sackett.と書かれています。Sackett先生は2015年に他界されました。
Straus SE, Glaszious P, Richardson WS, Haynes RB: Evidence-Based Medicine: How to practice and teach EBM. (5th edition) 2019, Elsevier Ltd., New York.です。
初版から22年経過し、その間には社会に、医療に、医学に大きな変化がありました。特にICT (Information and Communication Technology)の発展・普及、患者中心の医療、さまざまな疾患の病態の解明と新しい診断法・治療法の開発と実用化、介護・医療制度改革、医学研究や医療の情報量の増大、等々です。
EBM実践のステップについても、Step 3にエビデンスの妥当性とインパクト(:効果の大きさ)の批判的吟味を行うことが述べられています。この”効果の大きさ”は意思決定には非常に重要な項目です。しかし、”患者の価値観に基づいてBenefit and harmあるいはBenefit and riskを明らかにして”というような表現はStep 4にはまだ取り上げられていません。
でもこれよくできてますね。しかも、これはずっと変わっていないですね。
わかる?Impact (size of the effect)って書いてあって、エビデンスの確実性、ここでは妥当性validity (closeness to the truth)って書いてあるんだけど、それの批判的吟味を重要と考え効果の大きさのことはあまり考えない人が多いので、ここのところはいいなって思ってるんだ。
そうですよね
個人レベルでのBenefit and harm益と害の大きさを判断するには概要や抄録の結論だけでは無理ですよ。health literacyヘルスリテラシーとnumeracyニューメラシーの理解の深さがどこまで求められるかよく考えないと。
これは巻末の用語解説に書いてあるもので、最初のIntroductionの冒頭にも”What is evidence-based medicine?”と書いてあって、”Evidence-based medicine (EBM) requires integration of the best research evidence with our clinical expertise and our patient’s unique values and circumstances.”なんて書いてあるんですよ。これは”EBMは最善の研究エビデンスと我々の臨床的専門的技能・知識と患者さん固有の価値と状況と統合することを必要とする”ということだけを述べています。
まずはPCでランダムサンプリングができるということがわかる必要があるんだ。それが確率的シミュレーションの基だし、ベイズ推定Bayesian inferenceで用いるMarkov Chain Monte Carlo (MCMC) simulationの要だから。それをOpenBGUSで実行しながら、OpenBUGSの使い方を見てみよう。
Dendukuri N, Schiller I, Joseph L, Pai M: Bayesian meta-analysis of the accuracy of a test for tuberculous pleuritis in the absence of a gold standard reference. Biometrics 2012;68:1285-93. PMID: 22568612
Dendukuri N, Joseph L: Bayesian approaches to modeling the conditional dependence between multiple diagnostic tests. Biometrics 2001;57:158-67. PMID: 11252592
彼女の作成したBUGSコード、Rスクリプトにさらに、Forest plotを作成するRスクリプトを追加し、データをExcelで用意すれば、一度に解析を実行し、結果を出力するウェブツールを用意した。useRsのメタアナリシスの#5. Dendukuri Nのモデルを用いるR、BRugs、OpenBUGSによる診断精度(Diagnostic Test Accuracy, DTA)研究のベイジアンメタアナリシスである。実際のデータ処理は自分のPCでRとOpenBUGSで行うので、あらかじめRとOpenBUGSのインストールが必要で、さらにRのパッケージでtcltk2、BRugs、forestplotが必要である。これらのパッケージはPのスクリプトを最初にRで実行すれば自動でインストールしてくれる。 これらのパッケージの作者その他の情報についてはuseRsを参照していただきたい。