全米医学アカデミーNational Academy of Medicine 、NAM(旧全米医学研究所Institute of Medicine, IOM)は2011年にClinical Practice Guidelines We Can TrustおよびFinding What Works in Health Care: Standards for Systematic Reviewsを出版しています。
これらの中で、システマティックレビューを次の様に定義しています。
「特定の問題に絞って、類似したしかし別々の研究の知見を見つけ出し、選択し、評価し、まとめるために、明確で計画された科学的方法を用いる科学的研究。別々の研究からの結果の定量的統合(メタアナリシス)を含むことも含まないこともある。」
メタアナリシスで効果指標の値を統計学的に統合するには、複数の研究があって、各研究が類似している、すなわち、研究デザインが同じで、対象者、介入、対照、アウトカム(PICO)、効果指標が同じである必要があります。そうでない場合、定性的統合Qualitative synthesisしかできなくなります。それを定性的システマティックレビューと呼びます。その場合でも、各研究からは定量的な効果指標の値を得られることも多いです。
定性的システマティックレビューの例として論文を3つリストアップしました。メタアナリシスは実施されていませんが、各研究のデータが表にまとめられている場合が多いです。