Cochrane Risk of Bias Tool ver.2.0と評価用ウェブツール

ランダム化比較試験のバイアスリスクの評価ツールとしてCochrane Risk of Bias Tool ver.2.0が2019年8月に最終版が完成し、広く使われるようになってきました (Current versionへの Link)。評価ドメインが5つに限定され、概念は同じですが、名称が解説的なものに変わりました。シグナリングクエスチョンに答えてゆくことで、アルゴリズムに従って、評価がLow, Some concerns, Highのいずれかに決まる仕組みになっています。(Version 1.1ではLow, Unclear, High, でした。)アルゴリズムによる自動判定のツールも含んだExcel macroも公開されています。なお、アルゴリズムによる判定と評価者の判定が違う場合は、評価者の判定を優先します。また、クラスターランダム化比較試験、クロスオーバー試験用のツールは別になっています。

シグナリングクエスチョンに答えていけば、判定ができるようになっていますが、アルゴリズムのどこに合致するかを見ないといけませんし、初心者にはシグナリングクエスチョンそのものの意味が分からない場合もあると思います。従来の方法と比べると、判定の手順はかなり労力を要するものになっていると思います。特にアルゴリズムは記憶できる範囲を超える量なので、RoB 2ガイダンスドキュメントを参照しながら判定する必要があり、時間もかかります。

その様な作業を容易にするために、シグナリングクエスチョンの行をクリックすると表示される解説を見ながらシグナリングクエスチョンに答えていくことで、アルゴリズムに従い、自動的に判定するWeb toolを作成しました。(プログラミングはJavaScriptを用いています)。Cochraneのウェブサイトの紹介、RoB 2のガイダンスドキュメントの紹介、RoB 2ウェブツールの紹介、評価シートとの連携、評価シートからR+metafor, forestplotによるメタアナリシスの実行まで解説した動画(11分13秒)を作成しました。

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