Cathy MooreによるAction Mapping – A visual approach to training designについて簡単に紹介します。
アクションマッピング
ゴールは知識を増やすことではない。
知識=情報ではない。
クイズを用意すればそれで十分ではない。
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ゴールを達成するには、知識だけではなくアクションが必要。
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アクションマッピングが必要。
⒈ ゴールを設定する。具体的にxができるようになり、yが得られる。ゴールは測定可能でなければならない→関連あるアクティビティをデザインする、必須のコンテンツを決める、プロジェクトの成功を評価する、あなたの仕事がビジネスをどのようにサポートするかを示す。
ゴールを中心に置く。
⒉ 人々が何をする必要があるのかを同定する。(何を知る必要があるかではない!)知識ではなくアクションを!
ゴールの周囲にアクションを配置する。
人々がなぜ必要なアクションを取らないのかを同定する。
何がそれを困難にしているのか?知識?スキル?動機付け?環境(ツール、カルチャー、プロセス、etc)
トレーニングは問題を解決するだろうか?知識、スキルはトレーニングの対象、しかし、動機付け、環境はトレーニングの対象では無い。
人々はなぜそれをしていないのか?
⒊ それぞれのアクションに対して、リアルな練習アクティビティをデザインする。ゴールの周囲に練習アクティビティを配置する。現場での実作業に役立つ練習アクティビティ。
⒋ 人々は何を本当に知っていないといけないのか?それぞれのアクティビティーを完遂するために、人々が持っていないといけない情報を同定する。最小限度の情報に限定する。
情報を練習アクティビティに関連付けて配置する。そのアクティビティーを直接サポートする知識以外は含めないこと。
全ての要素がゴールをサポートすることを確認する。
⒌ 練習アクティビティと情報を一連の流れにまとめる。
アクションマップの利点
焦点を絞った無駄のない教材。
現実的で説得力のあるアクティビティー。
関係のない情報を含まない。
現実的で測定可能な成果が得られる。
以下は投稿者の意見です:すべての教育が、アクションができるようになることが目的ではないので、学習者の特性や、学習目的によっては、知識の獲得とその応用が重要な場合も多いでしょう。ここでは情報と呼んでいて、練習でのアクティビティの際に、その情報があれば、アクションができると考えているので、Cognitive loadが小さいことを前提としているように思えます。(普通の認知能では、Working memoryは5~7つの項目しか保持できないことが示されています。)実際には、記憶していることと、その場で得た情報とを、総合的に用いて何らかのアクションをするので、目的によってAction Mapが、トレーニングの設計に最適だと言えない場合もあるかもしれません。しかし、実習を設計するのであれば、非常に有用と考えられます。予習を前提にするFlipped classroomの場合も有用かもしれません。
文献:
Cathy Moore: Map It: The hands-on guide to strategic training design. 2017, Montesa Press.
Cathry Mooreのウェブサイトはこちら。