分析的枠組みAnalytic Frameworkは、「アウトカムと関連付けながら、臨床的概念、エビデンスおよび対象集団をリンクし、定義づけるエビデンスモデルのひとつ」とされています。
臨床的概念とは、疾患、病態、診断法の実施・治療などの介入、害、治療の効果、診断精度、予後予測などの事です。費用cost(医療費)や負担burdenもAnalytic framework分析的枠組みの要素に含めることができます。
また、Analytic Frameworkは、因果経路と呼ばれることもあり、コンセプトの枠組み、理論的枠組みなどと関連があります。
診療アルゴリズムでは、対象者の属性や生起事象に応じて、最善の選択肢へ至る経路が示され、個別対象者の意思決定を支援します。Analytic framework分析的枠組みは、診療アルゴリズムとは異なり、対象者に対する診断的・治療的介入の有用性を分析するために、臨床的文脈のなかにそれらを位置づけた枠組みと言えます。
Analytic framework分析的枠組みでも、矢印をたどることで、個別対象者がそのアウトカムへたどる経路を知ることができ、それぞれの経路の起きる確率を推定するためのエビデンスが何かを知ることができます。そのエビデンスを包括的に科学的に分析するために、Key Questionキークエスチョンを設定し、システマティックレビューの作業へと進みます。キークエスチョンはそのままクリニカルクエスチョンになる場合もあり、いくつかのクリニカルクエスチョンに分解されることもあります。
この図はAnalytic Frameworkを構成する要素を示します。
Analytic Frameworkすなわち分析的枠組みの目的は、臨床的文脈を明確にすること、クリニカルクエスチョンの構成要素であるPICOあるいはPICOTSを定義づけること、中間アウトカム、代理アウトカム、重要アウトカムを明確にすること、Key Question (KQ)キークエスチョンの臨床的文脈における位置づけ、論理的枠組みを明確にすること、必要なエビデンスを明確にすること、ステークホルダの議論の基盤を提供すること、などがあげられます。まとめると、診断的・治療的介入の効果の科学的に妥当な分析を行うことが目的です。
Key Question (KQ)キークエスチョンから、クリニカルクエスチョンを作成し、システマティックレビューへと進めていきます。システマティックレビューの作業の中でも、Analytic Framework分析的枠組みは、随時参照されます。
Analytic Framework分析的枠組みはPICOTSの各要素とそれらをリンクする3種類の矢印で構成されます。
クリニカルクエスチョンは文章で表現されますが、Analytic Framework分析的枠組みは、図あるいはダイアグラムで表現されます。
Analytic Framework分析的枠組みで用いられる図の要素を示します。
開始点は対象者を表す記述で、通常、枠線で囲ったりせず、文字列だけを用います。最終点は重要アウトカムで、通常は患者中心のアウトカムを四角の中に記述します。
開始点と最終点の間に、中間アウトカムが配置され、角の丸い四角を用いて表現します。
これらの要素が実線または点線の矢印でリンクされます。実線の矢印は、起点の側が先に起きる事象で矢じりの側がその帰結を示します。点線の矢印は起点の側と矢じりの側に関連があることを示します。たとえば、中間アウトカムと重要アウトカムは点線の矢印でリンクされます。単なる点線が関連を示すために用いられる場合もあります。
治療、診断法の実施などの介入(治療的介入/診断的介入)は実線の矢印の上に配置されます。複数の介入がある場合は、リスト形式で矢印の上下に配置されます。
診断法の実施の結果は中間アウトカムとして扱うことができます。
介入に伴う害・負担・コストは楕円形で表示されます。そして、それらへのリンクは実線の曲線を用いて表します。
そして、Key Question (KQ)キークエスチョンはこれらのリンクを示す線の上に置かれることになります。
臨床的課題は臨床のロジックの中での位置づけを明確にする必要があります。ここに示すのは一例ですが、青いマルで数字を書いたところに臨床課題が生じる可能性があり、そこからクリニカルクエスチョンが生じると考えられます。
疾患専門家にとっては、このような枠組みは自然に想起されるものかもしれませんが、患者、介護者、メディカルスタッフ、政策立案者、など、ステークホルダの意見を取り入れる際に、このようなチャートを基盤に議論を進めることができます。また、臨床的文脈における、クリニカルクエスチョンの位置づけが、明確になります。
また、Analytic Frameworkは、診療の手順を確認するために用いられる、診療アルゴリズムとは異なり、臨床的文脈を明確にすること、クリニカルクエスチョンの構成要素であるPICOあるいはPICOTSを定義づけること、中間アウトカム、代理アウトカム、重要アウトカムを明確にすること、Key Question (KQ)キークエスチョンの臨床的文脈における位置づけ、論理的枠組みを明確にすること、必要なエビデンスを明確にすること、ステークホルダの議論の基盤を提供すること、などが目的です。
Analytic framework分析的枠組みの一例を示します。PICOの各要素と矢印から構成されていることがわかります。
診断法の実施、治療などの介入は矢印上に置かれます。Key Question (KQ)キークエスチョンも矢印上に置かれます。たとえば、“小児/思春期の若者に対する脂質異常症のスクリーニングは冠動脈疾患イベントの発症の遅延と頻度の減少に有効か?”といったKQを、開始点と最初の中間アウトカムをリンクする矢印と最終点である重要アウトカムをリンクする矢印に設定することができます。
Grossman DC, et al: The anatomy of a US Preventive Services Task Force Recommendation: lipid screening for children and adolescents. Arch Pediatr Adolesc Med 2011;165:205-10. doi: 10.1001/archpediatrics.2010.299 PMID: 21383269
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/384409
介入の部分を複数の実線の矢印で表すこともできますが、この例の様にひとつの実線の矢印で表すこともできます。
このような表記方法でも、たとえば、④は”小児/思春期の若者で薬剤、食事、運動療法、これらの組み合わせは成人期の脂質異常症の頻度、冠動脈疾患関連イベントの遅延と頻度の減少における効果(治療開始の最適年齢も含め)はどれくらいか?”というKey Question (KQ)を設定することができますし、⑤、⑥、⑦および⑧は”小児/思春期の若者で脂質異常症の薬剤、食事、運動療法、これらの組み合わせの効果はどれくらいか?”というKey Question (KQ)を設定することができます。
これは、一般化できるように図の部分を残したものです。中間アウトカムはひとつにしてあります。
それぞれのポイントで以下の様なKey Questionキークエスチョンか考えられます。これらのキークエスチョンからPICOの形式でクリニカルクエスチョンを作成し、システマティックレビューへと進み、効果の大きさと、確実性、アウトカムごとのエビデンス総体の確実性の評価を行います。中間アウトカムと重要アウトカムはひとつとは限りません。一方、害のアウトカムは別に設定されます。
① 診断法の実施は重要アウトカムを改善するか?
② 診断法の標的疾患に対する診断精度はどれくらいか?
③ 診断法の実施に伴う害はどれくらいか?偽陰性に伴う害はどれくらいか?偽陽性に伴う害はどれくらいか?
④ 標的疾患の患者で治療A,B,Cの内、重要アウトカムに対する効果が最も高いのはどれか?
⑤ 標的疾患の患者で治療Aは重要アウトカムをどれくらい改善するか?
⑥ 標的疾患の患者で治療Bは重要アウトカムをどれくらい改善するか?
⑦ 標的疾患の患者で治療Cは重要アウトカムをどれくらい改善するか?
⑧ 標的疾患の患者に対して治療A,B,Cの害はどれくらいか?
⑨ 標的疾患の患者で中間アウトカムの改善から重要アウトカムの改善をどれくらい予知できるか?
推奨に対応するクリニカルクエスチョンは、“疾患Xに対して、診断法Yは有用か?”、“疾患Xに対して、治療Aは推奨されるか?”という表現になります。これらのクリニカルクエスチョンはアウトカムごとにいくつかのクリニカルクエスチョンに分割されることになります。
臨床の文脈の中で、複数の診療オプションがある、複数の診療オプションの間で望ましい効果(益)と望ましくない効果(害)の大きさとそのバランスに違いが存在する可能性がある、診療オプションの選択肢に対して推奨を提示することで患者アウトカムの改善が期待できる、そのようなポイントが重要臨床課題 Key Clinical Issue のあるところになります。
例えば治療の選択肢 A と B があるような場合、それぞれの益と害について、明確に説明することができるかということを自問してみてください。益と害というのは、単なる効果の大きさや、確実性だけではないことに注意してください 。
また、重要臨床課題は利用者のリテラシーによって、異なってくることを、認識する必要があります。例えば研修医と指導医、一般医と専門医、医師とメディカルスタッフ、医師と患者さんでは必ずしも、重要臨床課題が同じになるとは限りません。
追加情報
益(Benefit)と害(Harm)とBenefitとRiskとは同じ意味でつかわれていますが、Riskは確率の意味でつかわれることがあるので、BenefitとHarmの方が好ましい表現です。クリニカルクエスチョンのアウトカムの設定のところで、益のアウトカムと害のアウトカムとして、これらの用語がまた出てきます.
クリニカルクエスチョンCQ とは、スコープで取り上げることが決まった重要臨床課題に基づいて、診療ガイドラインで答えるべき疑問の構成要素を抽出し、ひとつの疑問文で表現したものです。
クリニカルクエスチョンは、既に論文が多数発表されているということを理由に、取り上げるようなものではありません。あくまでPractice-driven、つまり臨床に基づく、臨床現場から発せられる疑問です。
EBM(Evidence-Based Medicine)で周知されていると思いますが、PICO形式またはPECO形式で、定式化されます。O(オー)のアウトカムは、益と害のバランスを分析するために必要なアウトカムを、複数列挙する必要があります。EBMでの臨床疑問は、その個人が抱く疑問で構わないわけですが、診療ガイドライン作成で取り上げるクリニカルクエスチョンは、個人的なものではありません。
また、クリニカルクエスチョンも、利用者のリテラシーによって異なってくることを、作成者は認識する必要があります。想定する利用者の視点で考えることも必要になります。
*Population/Patients, Interventions, Comparator/Comparison/Control, Outcome (PICO)
Population, Exposure, Comparator, Outcome (PECO)
Analytic Framework分析的枠組みの上で、個人の経過をたどることができます。さまざまな組み合わせが可能です。この例では、リスク評価と検査を受け、脂質異常症と診断され、運動療法を続け、脂質が改善し、成人期の脂質も改善した状態を保ち、冠動脈イベントが起きることなく老年期を迎えた個人です。
この例は、リスク評価と検査を受け、脂質異常症と診断され、食事療法を始め、脂質が改善したが、成人期には脂質異常となり、冠動脈イベントが起きた個人です。
個人のたどる経過は様々ですが、・診断法実施の結果、・選択した治療、・中間アウトカム、・重要アウトカムの組み合わせ、害が起きるかで決まります。このように、Analytic Framework分析的枠組みの上で個人のたどる経過を知ることができます。
個人のたどる経過が実際に臨床で起きうる経過をすべて再現しているかを検討することで、Analytic Framework分析的枠組みの妥当性を検討することができるはずです。
背景疑問Background Questionと前景疑問Foreground Questionについてはすでに EBM の教科書に記述があります。例えば、Straus SEらのテキストブックには、疾患、病態、診断法、治療について一般的な知識を問うのが、背景疑問で、前景疑問は、Patient患者でIntervention介入を加えると、あるいはExposure暴露があると、あるいは診断検査Testsを行うと、Comparator対照と比べてOutcomeアウトカムが改善するか?という形式の疑問であると書かれています。すなわちPICO形式、あるいはPECO形式で定式化される疑問が前景疑問で、意思決定に関係のある疑問です。
診療ガイドラインの場合は推奨作成が必要で、システマティックレビュー、すなわち系統的文献検索が必須で、エビデンスの評価・統合が必須な疑問を前景疑問と呼び、それを本来のクリニカルクエスチョンと呼ぶことになっています。 そして診療ガイドラインのメインコンテンツは前景疑問の方のクリニカルクエスチョンになります。
一方で、背景疑問の方が不要というわけではなく、疾患トピックの基本的特徴、すなわち臨床的特徴は疫学的特徴や診療全体の流れなどの背景知識は推奨を正しく理解するために必要と考えられます。これらの背景知識をクエスチョン形式で取り上げて、診療ガイドラインに含めることはむしろ望ましいと言えます。ただし背景疑問に対して系統的な文献検索やエビデンスの評価等を行うことは必ずしも必要ではありません。すなわちシステマティックレビューを必須と考えてはいません。
さらに、Good Practice Statement (GPS)と呼ばれる、一種の推奨があります。GPSについては、システマティックレビューは不要で、推奨グレードを付ける必要もなく、クリニカルクエスチョンと推奨と解説という形で記述するセクションとは分けて取り扱います。
GPSは、ランダム化比較試験などの明確なエビデンスがなく、間接的な証明しかされていない場合でも、有用性が明白なため、日常診療で、行われている介入です。システマティックレビューをしても徒労に終わる可能性が高く、間接的な証明を集める必要はないという判断が正当と言えるとされています。
文献:
Straus SE, Glaszious P, Richardson WS, Haynes RB: Evidence-Based Medicine: How to practice and teach EBM. (5th edition) 2019,? Elsevier Ltd., New York.
益のアウトカムと害のアウトカムを設定する際に、どのような表現を使うかということは、よく議論になるところです。
例えば死亡が減少するというアウトカムと生存が改善するというアウトカムは同じことを表していますけれども、 前者は死亡という有害な事象を表す表現を使っていて、後者は生存という有益な事象を表す表現を使っています。有害な事象を表す言葉を用いているからといって、それは必ず害のアウトカムとして解析するというわけではありません。
例えばクリニカルクエスチョンのアウトカムの一つとして死亡というアウトカムを設定したとします。その場合、介入によって死亡が減少するということが推定されている場合には、それは益のアウトカムということになります。
このスライドに示すように、対象と比べ介入で有益な事象が増加すると推定される場合はそれは益のアウトカムとして取り扱います。逆に有益な事象が減少することが推定される場合にはそれは害のアウトカムとして取り扱います。同様に対象と比べ介入で有害な事象が増加することが推定される場合はそれは害のアウトカムになります。逆に有害な事象が減少することが推定される場合は益のアウトカムになります。
また比較する介入が3つ以上あるような場合は、最善と見込まれる介入とそれ以外を比較して、例えば有益な事象が増加することが推定されるのであれば、益のアウトカムとして取り扱うことになります。
スコープ作成の段階でアウトカムに関する事項で、重要な点があります。複数のアウトカムを設定したとしても患者の体験の全てを測定することは困難です。その体験の一部を抽出して、測定できる項目をアウトカムとして設定しているに過ぎません。取り上げたアウトカムに対する介入の効果が分かれば、臨床決断が正当化されるのか、推奨が正当化されるのかということが常に問われます。少なくとも、ガイドラインで取り上げたアウトカムの網羅性は十分なのか、そして設定されたアウトカムの重要性は妥当か、というこの二点については患者市民の視点からのチェックが必要になります。スコープの草案ができた段階で、何らかの方法でこの2点ををチェックする方策が望まれます。
推奨作成時に益と害の大きさとバランスを評価する際に用いるアウトカムの重要性は、患者の価値観によって決まり、クリニカルクエスチョン設定時の重要性の設定とは異なるものです。
複数のアウトカムに対する介入の効果から、全体としての益と害の評価を科学的、論理的に行う必要があります。例えば、治療1と治療2を比較する場合、すべてのアウトカムについて、治療1が勝っている場合であれば、評価は簡単ですが、そのような場合はむしろ稀です。複数のアウトカムに対する介入の効果にトレードオフが存在する場合、どのように判断すべきかは大きな課題です。さらに、比較する介入が3つ以上ある場合は、より複雑になります。
複数のアウトカムに対する複数の介入の効果をまとめて判断しなければならないというのが、診療ガイドライン作成においてはノルムです。
アウトカムについては複数設定されます。そして、 推奨作成に必要なアウトカムを分類するために相対的な重要性を設定します。このクリニカルクエスチョン作成の際に設定されるアウトカムの重要性は、そのアウトカムをシステマティックレビューの対象にするかどうか、推奨作成時にエビデンス総体の総括、すなわちアウトカム横断的にひとつのエビデンスの確実性を設定する際には、重大に設定したアウトカムだけを用いて決めるという点で扱いが異なってきます。またアウトカムの重要性はスコープ作成の段階で設定した後、 システマティックレビュー の後に変更することが認められています。また、推奨作成時に変更することも認められています。そしてもう一つ重要なことは益と害の大きさとバランスを評価する際に用いるアウトカムの重要性は、ここで設定されるアウトカムの重要性とは異なるということです。
クリニカルクエスチョン設定の時のアウトカムの重要性は、1から9までのスコアで表します。1から3は重要ではない、4から6は重要、7から9は重大に相当します。そして重要ではないアウトカムはシステマティックレビューの対象にはしません。重要および重大のアウトカムは、システマティックレビューの対象にするとともに、推奨作成に用いられます。
最重要のアウトカムは死亡または生存であることは異論がないと思います。これを9点とし、相対的な重要度を設定することになります。
推奨に対応するクリニカルクエスチョンの場合は、例えば 対照が一つであっても介入が二つ以上すなわち3つ以上の選択肢が比較される場合もあります。その前に対照がどれかということを明確に言うことが難しい場合もありえます。その場合は、単にそれらの選択肢を列挙するだけで十分ということになります。また益と害の複数のアウトカムが設定されるのですべてのアウトカムを列記すると、非常に分かりにくくなってしまいますので、アウトカムはクリニカルクエスチョンの中には記述しません。そして文章の最後は、何々は推奨されるか、あるいは、何々は有用かという表現を使うようにします。
一方で、システマティックレビューに対応するクリニカルクエスチョンは、エビデンス総体がそれぞれ一つのアウトカムに対応するため、介入と対照がペア、またネットワークメタアナリシスの場合はそのペアが複数ある形になります。そして、アウトカムは、一つのクリニカルクエスチョンには、一つだけ記述する、という形式になります。従って、文章の最後はアウトカムに対応して、何々は改善するか、あるいは何々は低下するか、などといった表現になります。
こちらが、重要臨床課題、クリニカルクエスチョンのPICOの要素、クリニカルクエスチョンの文章を記述するテンプレートです。
CQの構成要素のPの部分は、その属性を詳細に記述するようになっています。そして、介入Interventionと対照Comparatorは2つだけとは限らないことを前提に、列記するようになっています。
アウトカムはアウトカムの内容の列に、介入の効果を知るために測定されるアウトカムを書き込みます。そして、それが益のアウトカムか、害のアウトカムかを決めます。そのアウトカムについて、介入が対照に勝ると考えられる場合は、益、劣ると考えられる場合は、害となります。重要度は1から9点になります。
これはアウトカムのリストの部分の例です。
重要度はすでにお話ししたように、システマティックレビューの対象とするかどうかを決めるので、4点以上は採用となりますが、それを採用可否の欄に〇マルか×バツを記入します。
アウトカムのリストで重要なのは、推奨作成、臨床決断に必要なアウトカムがすべて含まれているかどうかです。また、アウトカムの重要性は妥当かどうか、4点以上のアウトカムに対する介入の効果だけで、推奨を決めてもいいかを問う必要があります。また、アウトカムの網羅性と、重要度については、患者・市民の視点が必要なので、クリニカルクエスチョンの設定ができたら、何らかの方法で、患者の意見を取り入れる試みが必要です。
そして、作成したCQの欄には、先ほど申し上げたように、PにおいてIはCと比べて推奨できるか?という形式でCQを記述します。